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回想(三)
最寄り駅まで梨花を迎えに行く。「今日、泊まってく?」「はーい!」左腕に抱きつく梨花とスーパーまで歩く。「晩御飯作っていい?」最近、更に料理にハマっているらしい。ハンバーグをリクエストして、私はサラダ担当になった。スーパーの袋を下げて家路を歩く。
「お邪魔しまーす!」「お掃除しなきゃと思ってたのに全然キレイ!」「早速だけど、見る?」梨花が頷いた。
コーヒーを片手にSM誌を捲る梨花。顔が少し赤らんでいる。暫くは何も言わずにそっとしておこう。「俺、ちょっとコンビニに行ってくる。あれ無かったから。ゆっくりしてて!」梨花が遠慮なく読めるように外に出た。
演技で構成されたSMビデオより、リアルな愛好者からの投稿が多いSM誌のほうが、きっと自分に反映させやすいだろう。
「ただいま〜!お待たせ!」コンビニで買って来たプリンをテーブルに置いた。「わっ、プリン!ありがとう!」梨花の瞳がとろんと淫蕩に濡れて見える。隣に並んで座った。プラスチックのスプーンでプリンをすくって梨花の口へと運ぶ。何も言わず梨花が口を開ける。プリンを入れると同時に唇を重ねた。舌を絡め合いプリンをすり潰していく。強く吸い合って離した。プリンが無くなるまで、無言で繰り返す。
梨花の白いワンピースのジッパーを下げて耳から首へと貪りつく。「あっ、皺になっちゃう。」立ち上がり足元からワンピースを抜いた。「そのまま、立ってて!いいと言うまで目つむって!」ベッドの下に用意していたソフトロープを解いて、二つ折りにしたロープの折り返し部分の輪を梨花の頭から通す。身体の正中線に沿って、両乳房のやや手前と乳房の下、へそのあたりに結び目を作る。「足を開いて。」「はい。」クリトリスとアナルにあたる結び目を作り、前と同じような位置に背中側にも結び目を作る。肩甲骨の間を通り、下から首の縄に通す。脇から身体の両横を通して菱形を作っていく。最後は痛くない程度に強く締め込む。
わざとくいくいっと軽く引っ張り刺激を与える。「アッ、アア。」梨花が内股になる。クリトリスとアナルに作られた結び目に圧迫されたからだ。
「こっちへ。」手を取ってリビングの姿見の前に誘導する。「目を開けて、ほら見てごらん!」「わっ、スゴい!胸が大きく見える。」赤いソフトロープに彩られた白い下着姿の自分に魅入っている。「やらしい…。でも、綺麗に見える。」梨花の背後に回り御椀型の乳房を揉みしだく。「ほら、ロープに責められてるみたいだろ!」へそのあたりに手を伸ばして、股間に通されたロープをくいっくいっと軽く引っ張る。「や、アア、アッ。」梨花が内股になる。「ほら、ちゃんと立つ!」「は、はい!」「もっと足を開く!」「パン!」左手でロープを引っ張りながら、右手で軽く尻を叩く。「アッアッ、はい!」「今から、俺とお前は御主人様と奴隷だ!いいね!」「はい!」「パンっ!パンっ!」再び尻を叩く。「はい!御主人様だ!」「は、はい!御主人様!」もう、頭の中はマニア誌の中の縛られた女性になっているだろう。
「ほら四つん這いになって!」「はい、御主人様。」背中の肩甲骨下の結び目に短いロープを結びつける。ペットに繋ぐリードの代わりだ。「今からお散歩の訓練だ。」くいくいっとロープを引く、股間の縄が食い込み刺激する。「アッアッ…。」「二回引いたら歩くだ。」くいくいっと二回ロープを引く「ハァハァ…。」暫く部屋の中を歩く。「じゃ、一回引いたら?」強めに一回ロープを引く。「アッ…。」梨花が停まる。「はい正解!良し良しいい子だ。お座り!」犬のように座る。「頭を撫でてやる。後でご褒美あげような。」ベッドサイドに腰掛けて、「ほら、わかってるだろ!」「はい!御主人様!」立ってズボンとトランクスを脱がさせる。ペニスにむしゃぶりつこうとする梨花。「待て!」自然とお座りする。「良し!」「ありがとうございます!」梨花の拙いフェラチオが始まる。興奮しているせいか、いつもよりも口中が熱い。
こうして、梨花を調教する日々が始まった。最初は縛りとローターと軽いスパンキング、半年後にはアナル調教や浣腸まで受け入れるようになった。日常的にずっと奴隷というのは、さすがに無理があるので、普段は普通の恋人同士、SMプレイの時だけ「御主人様と奴隷」という設定にした。
たまに会社でも命令口調で話すと反射的に「御主人様…。」と言葉が出かかるので、慌てることも多かった。
今、手にしている古びた「奴隷誓約書」は、その頃作ったものだ。お互いのために何かルールを作ろうという話になり、内容はほぼ梨花が考案したものだ。
その翌年入籍し、梨花は妻となりプレイは娘の夏希を妊娠するまで続いた。
※亡き妻梨花を調教した日々は、熱帯魚の躾方(AS)にて後日公開予定です。途中まで「回想」と同じ内容となります。
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