温泉旅行(二)

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温泉旅行(二)

 美羽も着替えを見られても気にならなくなったようだ。三人一緒に着替えて部屋に戻った。美羽は私達の部屋にそのまま付いてきた。沙莉と髪を乾かしあっている。何だか二人が姉妹のように見えてきた。  もう、三十分もすれば夕食の時間だ。女将に頼んで、美羽のも松葉蟹のコースに格上げしてもらった。「あれ?私花御膳じゃ?」女将が来て説明してくれた。「えーっ?いいんですかぁ?」「沙莉と仲良くしてくれたお礼だよ。」隣で沙莉が頷く。「じゃ、遠慮なく。」  周囲のテーブルから注目されている。そりゃそうだ、こんな普通のオッサンが、若い美女二人も連れているのだから。 「後で砂湯に行くから飲み過ぎるなよ!」「え、やったぁ!」お昼に行った時、湯浴み着が返って冷えて重かったらしい。夜は普通のタオルで前だけ隠して、湯に浸かったら見えないから外すことになった。  一旦、部屋に戻り準備してロビーで待ち合わせた。外はまた雪がちらつき始めた。砂湯まで五分ほどの距離だが、湯に浸かるまではものすごく寒い。三人で下駄を鳴らしながら冷たい道を歩いた。  脱衣所で服を脱ぎ慌てて湯に浸かるが、一番温度の低い「美人の湯」ではぬるすぎて、「子宝の湯」に移る。湯に浸かるまでは全てが冷たくて辛いが、入ってしまえば天国だ。ライトも程よく、湯の中は見えない。人はまばらに居るが二人とも無事にタオルを外して入れた。  沙莉を後ろから抱っこする。美羽が羨ましそうに見ているのを見て、沙莉が「こっちおいでよ!」と自分に前に座らせて、美羽を抱っこする。 「私、三姉妹でね。父親を早くに亡くしてるから女四人で生活してたの。私が一番下で、すっごく妹か弟が欲しかったんだ。」「お姉さんは?」「仲はいいよ!でも、やっぱり下が欲しいかな。」「じゃ、私が妹になる。私、一人っ子だから…。沙莉姉ちゃん!」「ありがとう!」沙莉が美羽を抱きしめた。  最後に一番湯温が高い「長寿の湯」で締めくくる。ここはかなり熱い。湧出しているところには座ってられないほどだ。  沙莉が美羽の手を股間に誘導する。「えっ、何これ?」「お尻に入ってるの。アナルジュエル。」「痛くないの?」「慣れたら気持ちいいわ。」沙莉の瞳が淫蕩に濡れている。私はアナルジュエルを入れるように指示しただけだが、僅かなきっかけで淫猥なマゾヒストの顔に変わる。  美羽が沙莉に見つめられて、目を逸らせなくなっている。「こっちへ。」沙莉が胡座をかいた上に美羽を跨がらせた。「お、お姉ちゃん。」「大丈夫よ!怖がらないで!」美羽をそのまま抱きしめる。「ハァハァ…。お姉ちゃん、私そっちは…。」美羽も興奮しているようだが、沙莉は抱きしめるだけでそれ以上何もしない。 「先に上がるぞ!」二人を残して先に脱衣所へと向った。少し遅れて二人が上がってきた。  布団の中で沙莉と抱き合う。アナルジュエルを入れたままペニスを挿入した。途中から沙莉を上にして、騎乗位で射精させるように指示をする。アナルジュエルを入れていたせいか、軽く引っ掛かる感じが良くて、初めて騎乗位で果てた。  腕枕をしながら沙莉と話す。「お前、美羽を調教したいって思っただろ?」「はい、よくわかりますね。んふふ。」「サディストもマゾヒストも紙一重だ。本質な似て非なるものだが。」「調教するほうが怖いっていうか、プレッシャーが高いですね。」「そこまでわかってるなら問題ないよ。やってみるか?」  翌朝、沙莉がジョギングから帰って来てから、美羽を誘って朝食を食べに大広間に向った。  美羽が無口というか照れ臭さそうだ。沙莉と視線が合うと俯いてしまう。「美羽、御主人様のご飯よそって。」「はい。お姉ちゃん。」おいおい、本当に奴隷にするのか? 「美羽、お魚はね、側線から箸で切り目を入れて、そしたら骨がこことここにあるから…。」「はい。お姉ちゃん。」美羽も構って貰えるのが嬉しいようだ。美羽の口元の汚れも沙莉がおしぼりで拭った。 「御主人様にお茶をさしあげて。」お茶を冷えた器に入れて出して、沙莉に注意されて、次はちゃんと器を温めて出す。  もう、主従関係が成立しているように見える。うーん、二人を飼うゆとりはないなぁ。サディストをやっていくには、愛情はもちろん時間と金も多少は必要だ。  美羽は、京都の名門大学の四回生で、春から東京の大手出版社に就職が内定している。 「お姉ちゃん、就職したら遊びに行っていい?」「もちろん、いいわよ!」  美羽が嬉しそうだ。調教を始めた頃の沙莉とどこか被って見える。  私達も美羽も二泊三日の予定だ。美羽の提案は、朝一番の幕湯に行って空いてたら写真を撮りたい。沙莉は私と一緒ならどこでもいい。  とりあえず、真賀温泉館へと向った。まだ、朝の八時だ先客はいない。デジカメを持ち込んで代る代る写真を撮る。これはお宝写真になるだろう。彼女達は、さらにスマホでSNS用の写真を撮っている。暫くして、脱衣所に女性の陰が見えた。何人か居るようだ。コンコンとノックされ、引戸が開いた。「あの〜。」沙莉と美羽が「どうぞ~!入れますよ~!」と促した。また、脱衣所でミーティングしているようだ。 「入って来るかな?」「御主人様、緊張しますぅ?」「いや、ラッキーかも?あっ、痛たたた!」沙莉にペニスを掴まれた。こう見えて沙莉はかなり嫉妬深い。「お姉ちゃん、御主人様にそんなことしていいの?」美羽が笑う。 「おはようございまーす!」三人とも入って来たが、残念ながら美人はいない。沙莉と美羽をじっと見ている。沙莉は私の左肩にもたれ、美羽は沙莉の左肩にもたれている。彼女達の目にはこの関係はどう映るのだろうか?  特に話しかけられることも無く、距離を置いた感じになった。 「御主人様、この後どうしますか?」沙莉の問いかけに三人がこちらを凝視している。「郷禄温泉という宿がちょっと走ったとこにあって、ここみたいに岩の隙間から温泉が湧出して、その上に浴槽を作ってある。貸切だけどね。湯上がりにすっぽん食べられるから、行ってみようか?」「美羽も行くよね?」「はい!御主人様、私もご一緒させて頂いていいですか?」いかん、美羽まで御主人様と呼び出した。  三人がこちらに近づいて来た。関係を追及されると面倒だ。早めに上がるか…。 「あの、さっき郷禄温泉って…。」どうやら、そちらの情報を聞きたかったようだ。「お邪魔しました。」別の女性が問いかけてきた。「あの御主人様って?」沙莉と美羽が同時に答えた。「私達の御主人様なんです!」聞いた女性がぽかーんとしている。  まあ、普通の人じゃ、こういう関係は理解出来ないだろうから、相手を引かすにはいい答え方だ。  まだ時間が早かったので、はんざきセンターにオオサンショウウオを観に行ってから、郷禄温泉へと向った。駐車場からすっぽんの養殖池の横を通って、宿に入る。本来はジビエを食べさせる宿らしいが、今回は貸切湯と昼食のすっぽんを目あてに来た。  貸切湯はタイル張りで、ちょっとした銭湯のようだ。湯船の下の岩の亀裂から湧出していて、湯船から溢れ続けている。泉質は真賀温泉館の幕湯とほぼ同じだが、貸切で独占出来るのがありがたい。時間はちょっと短めなのが惜しいところだ。  すっぽん料理を昼食に頂いて、一旦宿へと戻った。 「何だか、ホクホクというか、身体が熱くなってない?」「温泉のせいじゃない?」私も同じように血が巡るのを感じる。すっぽんのせいだろうか?   温泉街に一軒だけある喫茶店でコーヒーを飲む。昔ながらの純喫茶は、二人には珍しいようだ。「ウインナーコーヒーってなんですか?」美羽が壁のメニューを見ながら不思議な顔をしている。「うん、コーヒーを頼むと大きなウインナーが入ってるんだ。」沙莉が笑いを我慢している。「コーヒー飲みながらウインナーを食べるんですか?」「そうそう、砂糖やミルクを入れたらウインナーで混ぜながらね。」「へぇー。」「じゃ、ウインナーコーヒー三つで!」  マスターが笑いながらコーヒーを持って来てくれた。「あれ?ウインナーは?」美羽が不思議そうな顔が聞く。ついに沙莉が吹き出して、私も釣られた。「ウインナーコーヒーは、下にザラメ糖を敷いてコーヒーを注いで、生クリームを浮かべたものですよ。」マスターが美羽に説明してくれた。 「二人ともひどーい!」「ハハハ、でも美味しいよ!」 「お姉ちゃん、調教って縛ったりとかするの?」「興味あるの?」「うん。ちょっとだけ。」「じゃ、お部屋に帰ってからね。」 「御主人様?」「ああ。」沙莉が美羽にこれまでの調教を簡略的に話していく。聞いてる美羽の顔が真っ赤に染まる。「じゃ、ちょっとだけ見せてもいいですか?」「いいよ。沙莉、車のハッチに入ってる。」沙莉が調教道具が入っているバッグを取りに行った。 「何を見たいの?」「お姉ちゃんが縛られてるところとか…。」美羽の前で縛りを見せることにした。  背中の後ろで腕を重ねて手首内側にして縛り、左側から乳房の下へ横向きに通す。背中の縄へ下から交差させて、今度は右側から乳房の上を横向きに通す。背中の縄をくぐらせ首の左側から乳房の谷間へ、乳房の下の縄をくぐり、乳房に合わせて縦の縄を巻き付ける。鎖骨のところでV字にして首の右側を通し、背中の縄に留める。  もう一本短めの縄を用意して両脇の縄を絞り、背中の縄に纏める。余った縄尻はきれいに巻き付けて纏める。基本の高手小手縛りだ。 「すっ、スゴい…。い、いやらしい感じ…。でも、お姉ちゃんきれい。」見つめる美羽の瞳の奥に淫欲の火が灯るのを沙莉は見逃さなかった。 「御主人様、美羽も縛って頂いても?」「せっかくだからやってみようか?」  縛られてる最中、美羽の呼吸が段々と荒くなっていく。「息は止めないで!力を抜くの。」緊縛姿の沙莉からアドバイスが入る。 「ハァハァ、縛り方の名前とか…。」「ああ、最も基本的な縛り方でね。高手小手縛りって言う。」姿見で自分を映させる。 「美羽はしゃがんで。」「はい、御主人様。」美羽の目の前で沙莉の浴衣を拡げる。「御主人様、お許しください!」沙莉の長い脚が露出する。「脚を拡げろ!」「は、はい。」パンっ!掌で尻を叩く。沙莉のヴァギナから透明な愛液が内腿を伝う。指で掬い美羽の目の前に持って来る。「ご、御主人様、やめてください!」「舐めてみるかい?」「はい。」「美羽、やめて!」指をペロリと舐めた。「どんな味だ?」「殆どわからないけど、微かに塩と渋みみたいな。」沙莉の顔が赤く染まる。マゾヒストの淫猥な瞳に変わっていくのを美羽が凝視している。  先に沙莉の縄を解いた。縛られた美羽を寝かせる。「美羽のも見せて!」「…。」「脚を拡げなさい!」美羽の脚の間に割って入り、太腿を叩く。何と沙莉がサディストに変わる。泣きそうの顔の美羽を見て、躊躇している。まだ、沙莉では美羽の中に灯り始めた淫欲の火を炎には出来ない。  寝転がり浴衣がはだけた美羽の左腿に右膝を置いて押さえ付け、右の足裏を私の左の腰骨に当てて、右足首に縄をかけて脛と腿を纏めて縛る。もう片方も同じように縛り、別の縄を両足首と脇の縄を結び簡易な開脚縛りにした。  恥ずかしがって抵抗したが、沙莉と二人がかりだからあっという間だ。観念して横を向いた頬に沙莉が優しく触れる。「どんな感じ?」「は、恥ずかしい…。」「それだけ?お腹の下あたりから熱くならない?」「少しなってるかも…。」沙莉が美羽の開かれた股間へと顔を近づける。「嫌、やめてお姉ちゃん!いや!」「ほーら、美羽もいっぱい濡れてる。」美羽の目の前に指を持っていく。「ダメ!舐めないで!汚い!」指をパクっと口に入れてしゃぶった。美羽が涙目になってる。  ここまでだろう。沙莉に合図して美羽の縄を解いた。座らせて上半身の縄を解いたが、まだ朦朧としている。痺れや関節の痛みはないようだが、目が虚ろだ。心配した沙莉が私を見る。「御主人様?」「うん。大丈夫だ。少し縄酔いしているだけだ。」  水を飲ませて、沙莉が美羽を優しく抱く。「お姉ちゃん?何だか途中でぼーっとして…。」「もう大丈夫よ!少し横になりましょ。」沙莉が一緒に布団に入った。 
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