命の終わり

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命の終わり

 私の命はもうすぐ終わる。愛する人の腕の中で。 「もしあなたが……私を……少しでも好いてくれるなら……どうか私の体を……あなたの僕に……変えて……下さい」 「意志も感情もなく、俺の意のままに動く傀儡となるのだぞ?」 「それでも……構わない……あなたのそばにいられる……から……」 「お前は……」 「飽きたら……捨ててくれていい……だからどうか……お願い……」  目を開けていられなくなる。喉を震わせる事もできない。吐く息も少なくなっていく。寒くて寒くて仕方ない。  でも、これだけは、どうしても伝えたい。私は必死で声を発する。 「あい……して……る……」  息を飲む音が聞こえたような気がする。鈍い感覚の中、瞼や頬、そして首筋に、彼の熱を感じる。囁くような優しい声が、甘く私の耳に響く。 「俺も、愛している」  そして、首筋に鈍く、痛みが走る。その痛みは、私が彼のものになれる証。その喜びに体が震え、涙が流れる。 「うれ……しい……」  そこで私の命は、終わった。
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