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初バトル、そして早くも仲間割れ?
目の前でうずくまっている誰かがいる。
泣き声は聞こえない。けれど、俺はなぜか理解している。そのひとが孤独で、不幸であることを。涙など、とっくに枯れてしまうほどに、傷だらけだということを。
俺はそのひとに、なにか、言葉をかける。けれど、思いついた励ましの言葉が、そのひとの心に届いていないことは、なんとなくわかっている。
無駄だ、むだだと、どこからか、嘲笑うような声がする。何度言ったって、意味がない。そんなことわかってる。
このひとのことを、助けたい。言葉を尽くしたい。真摯になりたい。なりたいのに。
昔から見る、この明晰夢。
またか──そう、うんざりするのは、毎回決まって無力な自分が嫌になるから。
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