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「場所がわからなかったら、中にいる学生スタッフにお声がけ下さい」
笑顔が眩しい受付のお姉さんから座席指定票を渡された。なるほど、席が決められているのか。
AF列六番、AF列六番……。
「座席の場所をお探しですか?」
座席の番号ばかりを追いかけていたから声をかけられた。その一音で身体に全身電気が走ったかのよう。この低いお腹に響く声……。
大きな革靴。真新しそうなスーツ。私の目線には広い胸。さらに視線をあげていくと、そこにはずっとずっと夢に見ていた笑顔があった。
「……会いたかった」
「俺も、会いたかったよ」
たった一年。会えなかったのは一年だけ。
だけどさみしくて、想いが募った一年。
「私、先輩に会ったら言いたいことがあったの」
あぁ、止まらない。
会えればそれだけでいいと思っていたのに。
いざ会ってしまったらこんなに想いが溢れてしまうのか。
「私……」
室内のはずなのに、柔らかな日差しを受けたような、先輩のあたたかい笑顔が私に向けられた。
一年前と変わらない、頭に乗せられた優しい手のひらの感触を、私はじんわりと噛みしめた。
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