野獣に狙われ堕ちてゆく

10/33
48人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
翌朝小鳥のさえずりで目を覚ませば、裸で眠っていたがシーツなども綺麗になっているし、起き上がって手首の匂いを嗅いでみれば私の体からはほのかに薔薇の香りもする。 服も畳んで置かれていて、俺の返事が無い時は基本的に入らないので不思議に思いつつも着替えようと思えば下着はいつもの男性用では無く女性物のような黒のレースが前面で背面は紐だけのような下着がありしかも紐をサイドで結ぶタイプの下着のようで私はそれを用意した人物の顔が思い浮かんでしまった。 とりあえずそれを身につけてみて、姿見の前で立ってみたがほとんど透けていて落ち着かない。とりあえず服を身にまとい、朝の食事を摂り昨夜酔ってしまい宴から抜け出てしまった事を父様に謝りに行った。謁見の間は他の部屋より豪華で、父様の凄さを物語っているかのようだ。 一応謝罪してみれば父様はゲオルグが付いていたから心配はしてなかったと笑みを浮かべてくれたが、そのゲオルグに抱かれたと伝えるべきかどうか悩んでしまう。 「そ、そのゲオルグはどこへ?」 「彼は街の外の見回りに行ってくれたよ。さぁ可愛いルチアよ今日も頑張りなさい」 「はい父様」 一礼して謁見の間から出て扉を背にため息をついてしまい、腹を撫でてから朝の稽古へと向かった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!