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4.
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「いらっしゃいませ…」
「久しぶりですね!」
俺の顔を見て常連である「早苗」の会社仲間は怪訝な顔をしている。
「どうかしましたか?」
「あれ、「早苗」さんは?」
「…「貴」知らなかったの?」
「…「早苗」は死んだわ…」
「え、どうして?」
「死因ははっきりしないと?」
「警察が自殺と他殺かで調べているみたい….」
「…「貴」あなたの事「早苗」は思い悩んでいたこと…知ってたの?」
「お客様、この場でそのようなお話は?」
俺は「早苗」の死に衝撃を受けていたが店の中ではと…すると…
「そうね、ビジネスだものね「早苗」は勘違いしていたのね?」
「すいません、指名が入りましたので移動します」
気まずい雰囲気を察知した同席ホストが俺を目で追いやったのであった。
「早苗」は死んだ、それも俺のことを思い…
『…「貴」さん、目覚めた?』
「え、ここは?」
『私、あなたに会いたかった…』
『決して、あなたを独占するつもりは無かったけど、はじめてなのこんな気持ち…』
『私に優しくしてくれた男は?』
『分かっていたわ、あなたの目当ては私のお金だと…そしてとうとうお金が尽きたの….』
『もう、あなたの優しさを受け入れられないと理解すると…』
一方的に女が俺に向かって話していた。
「え、エレベーター?」
「お前、「早苗」?」
『そうよ、「早苗」…』
下を向いていた女は上を向くとその顔は蒼白く覇気がなく俺を見ていた。
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