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5.
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25階からエレベーターに乗り込んで来た女は「早苗」であった。
『…「貴」さん強がり言うのやめるわ…あなたに会いたかった…』
『私はやっと気がついたのあなたが居ないと?私はダメなことが!』
「え、え、お前って生きていたのかよ?」
『あわ、あわ、あわ…』
「早苗」であろう女はこの世の物とは思えない呻き声を上げていた。
『とうとう言ってしまったのね?』
『その言葉…』
『やはり、あなたは人ではない獣…』
『少しでも感情があれば?』
『私はね、死んであなたの思いを断ち切りたかったの…』
『でもね、死んだらもっともっとあなたの思いが湧き上がったの…』
『わかるわね?』
俺は死んだ「早苗」の亡霊?に出会いある日のことが蘇った。
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