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第12話 ドラゴン
「……嘘でしょう?」
「いや……流石にこれは……」
2人が呆然としていると、セルは苦笑いをした。
「まさかこんなに発達していたとはなぁ」
キリトとエアロは目を丸くしていることに対しセルは初めてワサビを口にしたような顔をしていた。
「あ…あの、これって…?」
「ああ、この国の神の1つである火炎の翼竜『イフリート』だよ。」
セルが尋ねると、エアロは苦笑いをしながら答えた。
「火炎の翼竜『イフリート』……ですか?」
するとキリトは頷いた。
「ああ、この国には火山地帯があってな?そこで生息しているモンスターだ。まさかダンジョンにいたとはなぁ」
「火山地帯って……ここ地下1階ですよね?」
セルが首を傾げると、エアロは苦笑いをした。
(まぁ……セルには分からないか。)
「エアロさん、どうしたんですか?」
「いや……なんでもないよ」
2人がそんな会話をしていると、キリトはイフリートに話しかけた。
「なぁイフリート!俺たちはただここを通りたいだけなんだが……」
するとイフリートは3人に向かって炎を吐いたのだ。
ガルルルル……。
「やれやれ……まいったな。壁が破られた」
「え?」
すると再構築する間も無く、二発目が飛んでくる。
「くっ、セル、エアロ! ちょっと離れていてくれ!」
俺は万が一のことを考え、2人を逃す。
そして、キリトの剣でブレスを斬った——
ガルルルル……?
「え?」
するとイフリートは攻撃をやめたのだ。
(どういうことだ?)
キリトが困惑していると、イフリートが話しかけてきた。
「あの、もしかして……新神の子ですか?」
「え、あ……はい」
イフリートがセルの方に向いてセルに問いた。セルが答えると、イフリートは嬉しそうに言った。
「ああ!!お待ちしてました!!」
「「「えっ?」」」セルとキリトが同時に反応する。
「えっと……ごめんな。よくわからないのだが」
「そうですよね。申し訳ありません。」
するとイフリートはセルに向き直り、こう言ったのだ。
「私は火炎の翼竜『イフリート』です。実は……あなたにお会いしたかったのです」
「え?僕にですか?」
セルが首を傾げると、イフリートは頷いた。
「はい!新神の子というのはあなた様で間違いないでしょうか?」
「えっと……多分そうだと思いますけど……」
するとエアロが尋ねた。
「なぁ、セルに何の用だ。セルをどうするつもりだ?」
「えっと……それは……」
するとイフリートは急に口ごもってしまった。
(どうしたんだろう?)
セルが首を傾げていると、エアロが口を開いた。
「もしかしてだが、お前は新神の子であるセルの従者になりたいのか?」
するとイフリートは嬉しそうに頷いた。
「はい!私、ずっと待っていました!」
(え?待ってた……?)
「我はずっと1人で生活していたのですが、どうしても新神の子に仕えるのが夢で……」
「なるほどな。だからセルに会いたかったのか」
するとエアロは頷いた。
「じゃあ……イフリートさん、僕と一緒に来ますか?」
セルがそう尋ねると、イフリートは大きく首を振った。
「はい!もちろんです!」
(やったぁ!!)
こうして火炎の翼竜『イフリート』を仲間に加えたのだった。
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