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第7話 連れ戻し
「セルさん!合格おめでとうございます!!」
スナモは、満面の笑みでセルに話しかけてきた。しかし、セルは疲れ切っていた。
「セル、よく頑張った。」
「いえ、これはエアロさんのサポートがあったわけですから。」
「セル、お前はもっと自信を持て。俺のサポートなんて必要ないくらい強かったぞ?」
エアロは笑いながらそう言った。するとスナモが話しかけてきた。
「セルさん、合格した証にこれをどうぞ。合格免許証です。」スナモは、セルに免許証を渡した。そこには『セル・ルミュール』と書かれていた。そしてその下には『冒険者免許証』の文字があったのだ。
「ありがとうございます!!」
「いえいえ、ではまたお会いしましょう」
そう言ってスナモは帰っていったのだった。
***
「さて、俺からもプレゼントだ。」
エアロはセルにそういうと1つの紙袋をセルに渡した。
セルは中を確認すると、たちまち目が輝きだした。
「これって誰もがあこがれる特注の冒険者専用の服と魔剣と高級装備じゃないですか!!」
「ああ、お前なら似合うと思ってな。」
「ありがとうございます!!大事にします!!」
セルは嬉しそうに言った。
***
とある王室の一角。突然扉が開き1人の男が入ってきた。その男は銀髪で腰まで生やしており、豪華なマントを羽織っていた。
「第5番の王、第6番のほうはどうなっている。」
その男は写真に乗ったエアロをみながらそう言った。
部屋の中は昼間にもかかわらず辺りは薄暗かった。見てわかるのは机に9人おり、緊迫とした空気が流れていることだ。
「はい、第6番の王は現在、冒険者として旅に出ております」
「ほぅ……なるほどな……」
男は顎に手を当てながら考え込んだ。すると後ろにいた男が話しかけてきた。
「あの~よろしいでしょうか?」
「……なんだ?」
「実はですね……その王についてのことなんですが……」
その男はそう言うと、ある資料を机の上に置いたのだ。それを見た銀髪の男は驚いた表情をしたのだ。そしてその男に向かってこう言ったのだ。
「……これは本当か?だとしたらまずいことになる。」
辺りはざわつき、緊迫した空気がさらに重くなった。
「はい、本当でございます。」
「……わかった。他の王にも伝えておけ」
男がそう言うと、男は頷き部屋から出て行ったのだ。すると銀髪の男は立ち上がりこう言ったのだ。
「第6番の王、キャラミア・エアロを取り戻す!」
***
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