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詠美ちゃんへ
いつも授業ノートありがとう。
ずっと忘れないでいてくれて、気にかけてくれてありがとう。
詠美ちゃんと友達になれて良かった。
大好きだよ。
また、会いたいな。話そうね。
私は里奈ちゃんの手紙を持ったまま、泣いた。
里奈ちゃんのお母さんと一緒に、長い時間泣いた。
お墓に花を手向けながら、私は話しかけた。
「里奈ちゃん。里奈ちゃんが居なくなってからもう、数十年経っちゃった。話が積もり過ぎだよね。私は、里奈ちゃんにもの凄く会いたい。ずっとそう思っているよ」
お線香の煙が真っ直ぐに立ち上って、空に消えた。
一瞬ニコニコした里奈ちゃんの笑顔が、見える気がした。
〈了〉
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