きらきらと

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 受験も近づいて来た判定テスト。  勉強の成果は出ているのか。  誰もがソワソワして落ち着かない。 「3組の能勢くんは、スポーツ推薦だって!」 「それを言うなら、4組の藤野さんは特待推薦で難関校に決まったらしいよ」  いいよねぇ、と推薦の貰えない生徒はヒソヒソと噂する。  兎にも角にも、判定テストで大体の道筋ができると私は必死だった。  保育園、小学校、中学校と近所の学校へお気楽に通ってきた私と里奈ちゃんには、高校受験は初めての選別試験だった。   「詠美ちゃん、判定結果どうだった?」  休み時間、里奈ちゃんが話しかけて来た。 「うん……第二志望はA判定。第一志望はC判定……」  自信があったのに、C判定。暗く沈んで答える。 「いいなぁ。詠美ちゃんは、頭がいいねぇ」  里奈ちゃんの言葉にムカッとした。 「やめてよ! C判定なのに頭いいとか言わないで!」  私の言い方に里奈ちゃんが驚いた。 「え? すごいよ、C判定。私は全部E判定だったし」  私の怒りが分からずに、ポカンとして言う里奈ちゃん。  私は怒りが止まらなくなった。 「里奈ちゃん、なんでこの時期にE判定で何とも思わないの? 里奈ちゃんは昨日学校から帰って、勉強した?」  優しい里奈ちゃんへ、八つ当たり。  でもニコニコしている里奈ちゃんに無性に腹がたって仕方なかった。  ニコニコしたまま、里奈ちゃんが答える。 「うーんとね。おやつ食べて、アニメ観てたよ」 「受験生でしょ! 受験生だよね、私達! なんで勉強しないで、そんなにニコニコしているの?!」  私の怒りも、里奈ちゃんには伝わらない。  だって里奈ちゃんは、ずっとニコニコしていたから。  でもそれは、里奈ちゃんが必死で自分の心を守ろうとする方法の一つだけだったのかも知れない。  
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