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慌ただしく高校生活が始まって半月が経った頃、理恵子ちゃんから電話がかかって来た。
「理恵子ちゃん? 久しぶり〜。元気?」
理恵子ちゃんと話すのは、書店で会って以来だった。
理恵子ちゃんの様子は元気がない。
そして、なかなか話さない。
「どうしたの?」
私は理恵子ちゃんに尋ねた。
理恵子ちゃんは電話口ですすり泣く。
「里奈ちゃんが……。里奈ちゃんが……」
理恵子ちゃんの言葉に、私はその場で号泣した。
もう誰の声も耳に入ってこない。
私のせいだ。
私のせいだ。
この世界から飛び降りた里奈ちゃんの背中を押したのは私だ。
私は犯罪者だ。
ごめんね、なんて軽々しく言えない。
また会おうね、って言った時答えなかった里奈ちゃん。
ニコニコしていた笑顔の裏で、一人で辛さを抱えていたのだろうか。
里奈ちゃんのお通夜とお葬式に行ったけれど。
私にはその時の記憶がない。
里奈ちゃんに、謝れてもいない。
いよいよ納骨、という時に私は里奈ちゃんの家を訪ねた。
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