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ジェイは休日にベビーカーを押して、家の近くの公園まで来ていた。
秋のうららかな午後の日差しが眩しいくらいで、ジェイは木陰を探した。
妻のミレイは木陰に走り出し、ランチョンマットを敷いた。
ジェイはベビーカーから息子のダンを抱きかかえ、マットの上に座らせる。首がようやく据わって、周りを見回すまで可動域が広がった。確実に成長している。
「そろそろ、お弁当にしない?」
ミレイはお手製の弁当をマットに広げてみせた。美味しそうなサンドウィッチやおにぎりが色とりどりに並んでいた。
「たくさん作ったねえ。見ているだけで、腹がいっぱいになりそうだな」
「作り過ぎちゃったかしら。なんだか出かけるのが久しぶりで、嬉しくなっちゃって。責任もって食べてよね」
「ダン、お父さんとダンの連合で食べつくすぞ」
不思議そうにダンは、ジェイを見上げて、手を叩いて笑った。
「ダン、雪見たことないだろう。お父さんがね、雪を見せてあげるよ。真っ白くて冷たい雪をね」
「ゆき、ゆき!」
ダンは立ち上がり、「ゆき、ゆき!」と連呼しながら歩き回った。
「あああ、ダン、あまりはしゃがないで。転んで怪我をしたら大変」
ミレイはすかさず、はしゃぐダンを抱き上げ、自身の膝元に乗せた。
ダンは興奮冷めやらぬ様子でまだ、「ゆき、ゆき」と繰り返す。
ジェイは日差しの強い空を見上げた。この分だと自然な雪は拝めそうにないなと思った。
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