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「よし、目標の額まであと、三分の一だ。頂上が見えてきたぞ」
ジェイはパソコンの画面を見つめながら、呟いた。
「どうやら、順調だね。やっぱり市民は雪を見たいんだねえ」
背中越しから同僚のキムが声をかけた。
「ああ。こんなにスムーズに資金が集まるなんて、当初は予想してなかったから。感慨深いというか、出来すぎというか...」
「ちょっと、いっしょにランチしないか」
屋上のテラス席で、ジェイとキムは昼食をとっていた。
「今日も天気がいいなあ。顕王星は太陽に恵まれてるなあ」
ジェイは目を眇めて言った。
「お隣の妃王星は、昨日から雪が降り始めたらしいぜ。彼らは彼らで雪にはウンザリしているみたいだ。顕王星に移住しようと考えている人たちもいるみたいだ」
「まあ、雪が毎年降ってたら、雪が煩わしくなるよな。人って勝手だよなあ」
「クラウドファンディングは、ないものねだりの象徴だよな」
ジェイはフォークを置くと、言った。
「俺さあ、市政課に配属願いを申し出た際の面談で、人事課にこう言ったんだ。どうして市政課に行きたいのかと訊かれたから、こう答えたんだ。市民がなし得ない願いを叶えるお手伝いがしたいからって。ようやく、その希望が叶えられそうだよ」
「それはよかったな」
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