不吉な女

1/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
車を走らせていると、前方に手を高く上げる人影が見えた。 停車する。 「どちらまで」 客は長い黒髪の若い女だった。 小さい声で行先を告げる。 二十歳になるかならないかと言う見た目にもかかわらず、やけに生気のない陰気臭い声で。 しばらく車を走らせ、目的地に着く。 「着きましたよ」 女は全く動かない。 もう一度声をかけようとした時だ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!