不吉な女

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車を走らせていると、前方に手を高く上げる人影が見えた。 停車する。 「どちらまで」 客は長い黒髪の若い女だった。 小さい声で行先を告げる。 二十歳になるかならないかと言う見た目にもかかわらず、やけに生気のない陰気臭い声で。 しばらく車を走らせ、目的地に着く。 「着きましたよ」 女は全く動かない。 もう一度声をかけようとした時だ。
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