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——12月24日クリスマスマーケット会場
街はクリスマス一色で、多くのカップル達が楽しそうに腕を組んで歩いている。
いつもは、人前でいちゃついているカップルをみると、羞恥という心理はどうなっているのか?と真面目な私は、理解できないでいた。
しかし今日は、クリスマスイブで、街全体が特別な魔法にでもかかっているようにキラキラして、私の心はそわそわしていた。
普段なら不快に感じる事さえも、なんでも許されてしまうような気持ちになる。
目の前のカップルが、いちゃついて仲睦ましい光景も当たり前のように見え、逆に羨ましく思えた。
——私も悠太(ゆうた)にいちゃついてみたい!!
だが、勇気もないし恥ずかしい。周りを見回す。
ちょうど初心者の私でもできそうな仕草をしているカップルを見つけた。
私は、そのカップルの真似をし、おもぐろに悠太の上着のポケットの中に自分の右手を入れた。
すると何か硬い物が指に当たる。
——ん?何か入っている……?
それを掴んで取り出して見る。
ーーこっ……これはリングケース!!
「ああああっ!」
悠太は、私の行動に驚き、慌てた様子で、私の右手に持つ赤いリングケースを勢いよく奪い取り、自分のポケットに隠した。
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