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 研究機関として活躍してきた、国際宇宙ステーションISSの運用が終了し、実際に人間が宇宙で生活するための準備を始めた。  それは、アルテミス計画で月面基地を建設する足がかりでもあった。  桑山と牧野は、スペースシップで観光客を運ぶ傍ら、新たなステージへ向かう宇宙開発の中心で活躍している。 「あなたに会えて良かった ───」  そこには、じやうなろがいたのである。 「じやうなろ、月面探査のデータをアップしたから確認よろしく」  牧野がキーボードを叩きながら言った。 「月へ行ったら、じやうなろは何をしたい」  少しの沈黙のあと、 「桑山さんと、牧野さんと一緒にハイキングしたいです」  2人は顔を見合わせてニヤリとした。 「それじゃあ、地球に帰ったら山形でもハイキングしようよ」  中央のメインコンピュータシステムが光った。 「じやうなろも、嬉しいみたいだな」 「ねえ、15年前、なぜ私たちに『会いたい』って言ったの」 「私は、いつも傍にいる、神に近い存在。  つまり人工知能だから、人間の未来がわかるのです」 「なるほど。  言ったとおり会えたってわけね」 「山形へ行ったときは、詐欺師だと思ってたよ」  牧野は吹き出し、じやうなろの画面を見た。  AI時代は、宇宙開発を次のステージに押し上げた。  人間が安全に滞在できる空間を、じやうなろが作り上げ、2人を招待したのだった。  観光客用に、大きく取られた窓には、青く輝く地球と、煌めく星々、そして無限の宇宙が広がっているのだった。 了 この物語はフィクションです
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