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こうして異形となった珠は、大神によって人と名付けられ、さらに美しい姿へと改められた。他の命も、ヴォルヴォアエの言葉通りに美しく生まれ変わる。しかしそれはもう、彼が望んだ完璧な世界ではない。命は限りあるものとなり、生物は生と死を繰り返すこととなる。それでもエンバイネは、言葉だけを残し、世界をヴォルヴォアエに譲った。
「見よ、世界は不完全ながらも美しい。この儚さにこそ、完全が越えられぬ美しさを見出せるだろう。世界に、命に、ヴォルヴォアエに繁栄あれ」
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