小侍さんは妻を愛してる

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 あれ? まだ、夜か……  俺は、目を覚ました。  あったかい……、いい匂い……、大好きな妻の匂いに包まれている。あまりに心地よくて瞼は開けられない……。むふふ…、舞ちゃんたら、こんなに体くっつけて……  俺は隣で寝ている妻の方へ手を伸ばし、その体に触れようとした。  あれ? いない……、トイレいったのか? なんだか、体が…うまく伸ばせないな……、ベッドが平らじゃないような……  今、何時だ? スマホを取ろうと手を伸ばすが、ない。あちこち手で探ってみるが、ない。俺は、手を天井へ向けて差し出した。しかし、空間である筈なのに、手が布のようなものを触る感触がある……  その時、俺が寝ている布団が上に引っ張られ、俺の体も一緒に上へ引っ張られた。  ぎゃあああ。なんだなんだなんだ?! 地震か?! 水害か?!   パニックになったが、上昇はすぐに止まり、その高さのままになった。俺は立とうとするが、布団がふにゃふにゃして立てない。  おかしいな……。そういえば、この布団、いつもの布団じゃないな……。生地がぜんぜん違うし、ざらざらしている。まるで、洋服みたいだ……  その時、俺は包まれている布ごと、移動を始めた。右、左、右、左と、人が歩くリズムのように進んでいく。このリズム、この速度は、そう。まるで、まるで、舞ちゃんと一緒に歩いているみたいだ。  右、左、右、左……  俺は、はっとした。もしかして……。俺は昨夜のことを思い出す。
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