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 その間も、激しく内側に抽出を繰り返され、わたしは快楽の海を漂い始めた。  わたしははるかに限界を超えていて、まだ見果てぬ世界への出口を求めてあえいでいた。  彼がわたしの脚をさらに高く持ち上げて、激しく腰を打ち付ける。  「あっ!だめっ、あああっ…‥い、くっぅ‥‥」  限界まで高められた快感が一気に弾け飛んだ。  「うんっ、俺も、もう‥あぁ…‥ひなこ…いく!」  熱い吐息が首筋に吹きかかると、彼がわたしの上に重なった。  内側で彼の猛りが脈打ちうごめくと、彼がうなるような声を上げて体を引くつかせた。  彼の手がそっと優しくわたしの頬を撫ぜた。  「ひなこいった?」  わたしは大きくうなずくと、彼の口元が開いてきれいな歯がのぞいたと思ったら、顔が満面の笑顔に包まれた。  わたしは甘いオーガズムの中でぼんやりしながらも、彼の胸どきゅんの笑顔にまた惚れる。  つながった体がふたりの絆のようで、もっとうれしくなる。    彼がゆっくりわたしの中から出て行くと、いきなり寂しくなった。わたしは手を伸ばして彼を求める。
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