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うん?
彼は寝ていた。
きっと昨夜は眠れなかったんだろう。それに仕事も一人で忙しくしているはずで、そう考えるとわたしは幸せな気持ちになった。
だって、この世にこんなにわたしの事を思ってくれる人が他にいるだろうか?いや、いない。お互い身内もいないわたしたちにはよくわかる。
あっそういえば尊さんの実のお母さんはどうしたのだろう?今度聞いてみなければ、もしお互いに会えるならこれほどいいことはないもの。
わたしたちはずっと遠回りしてきたのかもしれない。でもそれがあったからこうやって巡り合った時惹きつけ合う気持ちが強くなったんじゃないかって思える。そう思うと今までの悩みがすべて吹き飛んだ気がした。
わたしは独りごちて、彼の腕をそっと外した。
彼の中から出ると少し寂しくなる。
そっと彼のゴムを処理して周りをきれいにする。べたべたしているのは全部わたしの…急に恥ずかしくなる。
こんなに乱れたなんて、でも彼はそれを喜んでくれると思うとわたしは笑いがこらえきれない。
わたしはまた彼の胸の中にもぐりこむとまた独りごちた。
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