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彼がわたしを離さないって言った時、わたしは飛び上がるほどうれしかった。でも恥ずかしさもあってわたしは素っ気ない返事をしてしまった。
彼が目を覚ましたらわたしもはっきり言おう。
”もうあなたを逃がさないって”
「ひなこ…う、んん‥‥」
突然呼ばれてどきりとする。
「なぁに尊さん?」
寝言だった。
もう、今決心したばかりの気持ちが萎えるじゃない!
でも…幸せ過ぎてたまりませーん。
わたしも彼の隣でもう寝ます。
わたしはもう一度彼に抱きついた。
彼の腕は自然とわたしを抱き寄せ腕枕をした。
幸せを絵にかいたような時間だった。
わたしがやっと目ざまると、もう夜の7時を回っていた。
わたしはしばらくぼーとしていたが、明日が月曜日だと気づいた。
「尊さん、起きて、明日は仕事でしょう?帰らなきゃ」
「うん?えっ?彼はどこ?」
わたしはまだ寝ぼけているようで、辺りをぐるぐる見回す。
「ひなこ?起きた?」
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