20最終話

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 彼がわたしを離さないって言った時、わたしは飛び上がるほどうれしかった。でも恥ずかしさもあってわたしは素っ気ない返事をしてしまった。  彼が目を覚ましたらわたしもはっきり言おう。  ”もうあなたを逃がさないって”  「ひなこ…う、んん‥‥」  突然呼ばれてどきりとする。  「なぁに尊さん?」  寝言だった。  もう、今決心したばかりの気持ちが萎えるじゃない!  でも…幸せ過ぎてたまりませーん。  わたしも彼の隣でもう寝ます。  わたしはもう一度彼に抱きついた。  彼の腕は自然とわたしを抱き寄せ腕枕をした。  幸せを絵にかいたような時間だった。  わたしがやっと目ざまると、もう夜の7時を回っていた。  わたしはしばらくぼーとしていたが、明日が月曜日だと気づいた。  「尊さん、起きて、明日は仕事でしょう?帰らなきゃ」  「うん?えっ?彼はどこ?」  わたしはまだ寝ぼけているようで、辺りをぐるぐる見回す。  「ひなこ?起きた?」
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