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「いいのか?もちろん俺はうれしいけど、ひなこは天宮に帰りたくないんだろう?」
「ええ、尊さんこっちに引っ越してこない?」
「もしかして…一緒に住みたいって事?」
尊さんの瞳がキラリと輝いた。
「尊さんはどう?」
「どうって…もちろん一緒に住みたい。今日だって帰りたくないくらいだ」
「じゃあ、今夜泊って行けば…」
「ひなこ、そんな事言われたら我慢できなくなるし…」
「でも、もう離さないって言ったじゃない。あれはうそ?」
わたしはわざと彼を煽り、彼の瞳を見つめた。彼の瞳は一度大きく見開かれた後わたしにだけ注がれた。わたしの瞳には彼の姿だけが移っていて、彼が近づいてきてわたしを抱き寄せた。
彼の顔がわたしの顔に寄せられて唇が重なった。
「もちろん離さない。けど、それには準備が必要で…」
「わたし、もうあなたを逃がさないって決めたから」
「参ったな‥でもすげぇうれしい。俺、ひなこに捕獲されてもいいから」
「じゃあ、今夜は泊まって明日の朝帰る。どうせ仕事は俺一人だし、陽奈子を仕事場に送って行ってやる」
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