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「うん、あの…聞いてもいい?」
「ああ、何でもどうぞ。俺達隠し事をするのだけはやめような。これふたりの約束」
「はい、わかりました。それで尊さんの実のお母さんて今どうしてるかわかるの?」
「ああ、実の母親はもう亡くなってるんだ。俺を置いて行って半年後くらいに事故だったらしい」
「まあ、そうなの。残念ね」
「そう言えば陽奈子のお父さんって?」
「お父さんね…さあ、どうしてるんだか、借金を残したままいなくなってそれっきりだから、それこそどこかで死んでてもおかしくないけど、全然わからないわ」
「そうか、じゃあ結婚式っても熊谷の家族と俺達だけか」
「結婚式なんかしなくていい」
「でも、ひなこのウエディングドレス姿見たいんだ。そそられるから…ドレスのままやるのもいいかもな」
「尊さんってそういうとこ変態っぽいから…」
「ひなこだってもっとして欲しいって言うに決まってるから…」
わたしは言い任されそうになり、急いで立ち上がる。
「わたし何か買ってくるから、ちょっと待ってて」
「買い物か?俺も行く。こんな夜道一人で行かせられるか!」
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