20最終話

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 「うん、あの…聞いてもいい?」  「ああ、何でもどうぞ。俺達隠し事をするのだけはやめような。これふたりの約束」  「はい、わかりました。それで尊さんの実のお母さんて今どうしてるかわかるの?」  「ああ、実の母親はもう亡くなってるんだ。俺を置いて行って半年後くらいに事故だったらしい」  「まあ、そうなの。残念ね」  「そう言えば陽奈子のお父さんって?」  「お父さんね…さあ、どうしてるんだか、借金を残したままいなくなってそれっきりだから、それこそどこかで死んでてもおかしくないけど、全然わからないわ」  「そうか、じゃあ結婚式っても熊谷の家族と俺達だけか」  「結婚式なんかしなくていい」  「でも、ひなこのウエディングドレス姿見たいんだ。そそられるから…ドレスのままやるのもいいかもな」  「尊さんってそういうとこ変態っぽいから…」  「ひなこだってもっとして欲しいって言うに決まってるから…」  わたしは言い任されそうになり、急いで立ち上がる。  「わたし何か買ってくるから、ちょっと待ってて」  「買い物か?俺も行く。こんな夜道一人で行かせられるか!」
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