第3話

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 その場に跪いて、コルネリアさまのお顔を覗き込んだラインヴァルトさまが、そう問いかけられた。  コルネリアさまがぎゅっと手を握ったのが、私にも見える。 「当たり前、ですわ。……だって、ラインヴァルト殿下よりも好きになれるお人が、いなかったのですもの」 「……そうか」  そこで、会話は打ち切られた。ラインヴァルトさまが立ち上がって、私のほうに歩いてこられる。  けど、途中で止まって、コルネリアさまのほうに視線を向けられた。 「だが、テレジアを傷つけたことは、許しがたい。傷害罪を咎めないのは、問題だからな」 「……はい」 「というわけで、三日間の自宅謹慎。あと、適当に奉仕活動でもしろ。……それで、いい」 「……え」 「勘違いするな。昔のよしみ。あとは、テレジアがあぁ言ったからだ」  ラインヴァルトさまはそこまで言うと、私の真ん前に立たれた。その後、ふっと口元を緩められる。 「行くぞ、テレジア」  彼はそうおっしゃると――足首を痛めた私のことを、横抱きにした。 (……え?)  突然の行動に、頭がついていかない。目をぱちぱちと瞬かせていれば、ラインヴァルトさまは「落ちるぞ」と注意をしてこられる。い、いや、そういうことじゃなくて……!
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