第2話

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 半ば無理矢理連れてこられたというのに、爆睡していた私はちょっと情けない。だけど、私が悪いわけじゃないと思う。  ……寝台がふかふかなのが、一番の原因なの。えぇ、そう。 「さようでございますか。でしたら、よろしゅうございました」  侍女は私の葛藤にも気が付かずに、笑ってくれる。 「申し遅れましたが、私はミーナと申します。今後、テレジアさまのお世話をさせていただきます」 「……え」 「……聞いておりませんか?」  彼女――ミーナがきょとんとして、そう問いかけてくる。……少し困ってしまって、目を伏せる。 「まぁ、ラインヴァルト殿下のことですから、素で忘れていらっしゃったのでしょう」 「……そ、そう、ですか」 「はい。それに、私になると決まったのは日付が変わる前でしたので」  ミーナはなんてことない風にそう言うが、ラインヴァルト殿下は忘れていたわけではないと思う。  単に、疲れている私を気遣って、夜に訪れなかっただけだと思う。 「まぁ、そこら辺はお気になさらず」 「……はい」  正直気になってしまうが、これ以上深入りすることは出来そうにない。  その一心で、私は静かに頷いた。ミーナは、相変わらずニコニコと笑っている。その笑みは無邪気にも見えるものであり、押されてしまいそうだった。
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