第2話

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「……だから、私は自分に自信が持てないの」  ちょっと、愚痴っぽい言葉だった。 「ラインヴァルト殿下が私のことを好きとおっしゃっても、信じられない。どうして、こんな私がって……」  ぼうっとする頭。口が勝手に動いて、自分の気持ちを言葉にしていく。頭はちっとも理解していない。  そんな私を見たからなのか。ミーナが息を呑んだのがわかった。……少し、困らせてしまったのだろうな。 「ごめんなさい。こんなことを突然言われても、困るわよね……」  苦笑を浮かべてミーナにそう声をかければ、彼女はゆるゆると首を横に振った。 「いえ、別にそういうわけではないのです」  ミーナが肩をすくめて、口をもごもごと動かす。多分、なんらかの言葉を探しているのだ。  それを理解して、私はなんだかおかしくなった。 「私はそう簡単には傷つかないから。……だから、直球に言って」  そう言うと、ミーナが一瞬だけ目を見開く。……が、すぐに「では」と前置きをして口を開いた。 「こんなことを言うのは、失礼だと承知しておりますが」 「……えぇ」 「テレジアさまのお母さまは、なにも分かっておりません」  ……でも、告げられた言葉が予想外すぎて。私は目を真ん丸にした。ぽかんと口が間抜けに開いている。 「テレジアさまは、とても美しいですよ」 「……そ、んなの」 「私、テレジアさまと関わってまだ数十分しか経っていません。けど、私、思いましたから。……このお方は、努力されているんだって」  ……なんて返せばいいかわからなくて、口ごもった。
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