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(とりあえず、お部屋に戻ってお茶でも飲もう。……少し、心を落ち着けなくちゃ)
そうじゃないと、もっとひどい言葉を彼に浴びせてしまう。それだけは、とてもよくわかって。
「テレジア!」
ラインヴァルトさまが私の名前を呼ぶ。……けれど、立ち止まれなかった。振り返ることも、出来なかった。
私は彼にとって、一体なんなのだろうか?
(周囲に認めてもらえない。そんな私が、彼の婚約者なわけがない)
彼は「好き」だと言ってくださる。たくさん愛を与えてくださる。
だけど、いいや、だからこそ。
……私は、浅ましくも求めてしまう。
――彼の愛が、私にだけ向けられればいいのに、と。
(あのお方と、私は、全然違う。期待値も、信頼も……背負うものも)
だから、私は。……彼の重荷には、なりたくない。
そう思う。しかし、今の私は何処までいっても彼の重荷でしかないのだ。
そんな私に、彼の側にいる資格なんて――ない。
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