第2話

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 その目は、真剣そのものだった。合わせ、何処となく怒られているような気もする。 「なんで、俺の意見を聞いてくれない」 「そ、れは……」  後ろめたくて、視線を逸らした。  彼はお優しいから。絶対に、私を傷つける言葉はおっしゃらない。  私は、彼のそういうところに必ず甘えてしまうだろう。それが、わかっていたから。 「俺は、テレジアだけが好きなんだよ。……わかるか?」  彼が私の背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめてそう伝えてくる。  腕が震えていて、彼の不安を嫌と言うほどに伝えてきた。 「わ、わか、ら、ない……です」  でも、信じられなくて。首をゆるゆると横に振れば、彼は少し困ったような表情を浮かべた。  かと思えば、ふっと口元を緩める。 「わからないんだったら、何度でも言う。……俺が好きなのは、テレジアだけだ」  今度は、はっきりと、しっかりと。まるで、かみしめるように言葉を告げられた。  ……驚いて、目を瞬かせる。どう、いう。
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