第2話

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「え、えぇっ……」  恐る恐る一歩を踏み出して、右を見る。……明らかに、このお屋敷は広い。 「ヴィリバルトさんって、何者……?」  いや、確か竜騎士だと言っていたような気もする。  ……竜騎士って高給取りだというけれど、こんな大きなお屋敷を持てるほどなのだろうか?  あと、こんなにも豪華なお屋敷を建てるのだろうか? (……うーん、なんか、変な感じ)  ぽりぽりと頬を掻きつつも、私はとりあえずとヴィリバルトさんの元に向かうことに。  すたすたと廊下を歩いていると、視界に入るものすべてに一々意識が奪われる。  置いてあるものもさながら、なによりもセンスがいい。嫌味がないというか、なんというか。 「……なんか、不思議なお人ね」  ぽつりとそう言葉を零して、突っ切った先にあるお部屋の扉の前に立つ。  ほかの扉よりも二回りほど大きな扉には、繊細な模様が彫られていた。……見た感じ、竜だろうか。 「本当、竜が好きなのね……」  そう思ったら、なんだか安心できた。  だって、私も竜、ドラゴンが大好きだから。……話が合わないことはないだろうな。そう思えたのだ。
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