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一人になった私は、ぐるりともう一度室内を見渡す。壁には大きな風景画のようなものがかかってある。そこに描かれているのは草原。そして、ドラゴン。
(本当に、ドラゴンがお好きなんだなぁ……)
そんなことを思って、その絵を見つめて。
しばらくすると、ヴィリバルトさんがジュースの入ったグラスを持ってきてくれた。
「りんごのジュースです」
「あ、ありがとう、ございます……」
喉が渇いていたので、素直にグラスを受け取って、口に運ぶ。
りんごの甘味が口いっぱいに広がって、とても美味だと思った。……なんだろうか。すごく、上品な味がする。
「スープとスクランブルエッグも、運んできますね」
彼が頬を緩めた私を見て、もう一度奥に引っ込もうとする。
慌てて立ち上がって、手伝おうとした。でも、ヴィリバルトさんはそんな私を手で制する。
「お客さんなんですから、素直にもてなされていたください」
……優しい口調なのに、有無を言わさぬ迫力があった。
私は、自然と椅子に腰を下ろす。ヴィリバルトさんはにっこりと笑って頷いて、また奥に引っ込んだ。
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