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(……お客さん? 転がり込んできた迷惑人じゃなくて?)
彼の言葉にちょっとした違和感を覚えつつも、私はちびちびとりんごのジュースを口に運ぶ。
喉を潤して、その美味しさに感動して。そうしていると、彼がトレーにスープの器とスクランブルエッグの載ったお皿を運んできた。
スクランブルエッグは焦げ目もない、きれいな黄色。スープは色からしてトウモロコシのスープ……だろうか。
「あんまり豪勢な料理ではなくて、すみません。夜はきちんとしたものを作るので」
「い、いえ、お構いなく……」
本当に申し訳なくて、私は身を縮める。
……どうして、彼は私に至れり尽くせりしてくれるのだろうか?
意味がわからなくて、誤魔化すようにジュースを口に運んで。彼が対面の椅子に腰を下ろしたのを見て、私はグラスをテーブルの上に戻す。
「お口に合えば、いいんですが……」
苦笑を浮かべた彼が、私に食事を促す。
……ちょっと反応に困ったものの、スプーンを持ってスープを口に運ぶ。
トウモロコシ特有の甘味。ほんわかとした味。……温かくて、身体も心も温かくなるような感じ。
「美味しい、です」
自然と口から言葉が零れて、ヴィリバルトさんが「よかった」と呟いたのがわかった。
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