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「最近あまり人に振る舞っていなかったので、不安だったんです」
ヴィリバルトさんはなんてことない風にそう言って、肩をすくめた。
……その表情は本当に安心しているかのよう。でも、私にはそれよりも重要なことがあって。
(このお料理、ヴィリバルトさんが作ったの……?)
ぽかんとしつつ、料理を見つめる。
私のその姿を見たヴィリバルトさんが、笑った。
「この邸宅には俺しかいませんからね。すべてのことにおいて、自分でしなくちゃ」
彼はさも当然のようにそう言うけれど。それって、すごく立派なことなんじゃないだろうか。
「……その、わた、しは」
私にもなにか出来ないだろうか。
そう言おうとして、ヴィリバルトさんに手で制された。
「メリーナさんはお客さんですから。なにもしなくていいんですよ」
にこやかに笑った彼が、そう告げてくる。
確かに、それはそうなのかもしれない。けど、迷惑をかけている自覚はあるのだ。なにか、恩返しくらいしたい。
「ですが、私、本当ご迷惑ばっかりかけていて……」
酔い潰れたこともそうだけれど、一晩泊めてもらったことも。本当に申し訳なくて仕方がない。
眉を下げてそう言えば、ヴィリバルトさんは「気にしないで」と言ってくれる。
「俺がしたくてやっていることですから」
そう言われても、私はやっぱり納得できない。
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