第2話

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「最近あまり人に振る舞っていなかったので、不安だったんです」  ヴィリバルトさんはなんてことない風にそう言って、肩をすくめた。  ……その表情は本当に安心しているかのよう。でも、私にはそれよりも重要なことがあって。 (このお料理、ヴィリバルトさんが作ったの……?)  ぽかんとしつつ、料理を見つめる。  私のその姿を見たヴィリバルトさんが、笑った。 「この邸宅には俺しかいませんからね。すべてのことにおいて、自分でしなくちゃ」  彼はさも当然のようにそう言うけれど。それって、すごく立派なことなんじゃないだろうか。 「……その、わた、しは」  私にもなにか出来ないだろうか。  そう言おうとして、ヴィリバルトさんに手で制された。 「メリーナさんはお客さんですから。なにもしなくていいんですよ」  にこやかに笑った彼が、そう告げてくる。  確かに、それはそうなのかもしれない。けど、迷惑をかけている自覚はあるのだ。なにか、恩返しくらいしたい。 「ですが、私、本当ご迷惑ばっかりかけていて……」  酔い潰れたこともそうだけれど、一晩泊めてもらったことも。本当に申し訳なくて仕方がない。  眉を下げてそう言えば、ヴィリバルトさんは「気にしないで」と言ってくれる。 「俺がしたくてやっていることですから」  そう言われても、私はやっぱり納得できない。
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