第2話

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 食事を終えた私は、後片付けをすることとなった。  ヴィリバルトさんに教えてもらいつつ、テーブルを拭いて、食器を洗う。 「洗剤はこれくらいが適量です。もちろん、油ものとかだと、また別ですが」  彼は不慣れな私の手際を見ても嫌な顔一つしなかった。  それどころか「伸びしろしかないっていうことですよ」なんて言うほどだ。  ……この人は、私を甘やかしているのではないだろうか? 「あっ、袖が……」  ふと衣服の袖に洗剤が付いてしまいそうになって、慌てる。そんな私を見て、ヴィリバルトさんはさっと袖を上げてくれた。 「今度からはきちんと上げておきましょう。もしくは、ひもでくくっておくとか……」 「……そ、そうですね」  袖を上げる際に彼が私のすぐそばに来た。そのときにふわっと香ったのは柑橘系の爽やかな香り。……これ、香水、だろうか? (こんないい香りのする男の人って、珍しいわよね……)  ちらっと彼の姿を確認する。  一見するともさっとしたダサい人。  でも、よく見ると彼って割と素質があるんじゃないだろうか。 (見える部分だけでも、かなりきれいだもの)  口元は艶めかしいし、鼻筋もすっと通っている。目元は見せてくれないけれど、隙間から見える目は悪くはなさそう。  ……顔を出せばいいのにって、少しだけ思う。
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