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すると、さっきまで無かったはずの檻が俺を囲んでいる
そう、まるで俺が檻の中に居るかのように....
「な...何だ、これは!?」
「これは現実...いや、真実だよ」
「なに!?」
「知ってんだぜ?俺は。アンタが裏で何をしているのか」
「ば...ばかな」
「分かるかい?人間ってやつは何かしでかしちまった時に心の中で檻を作るんだ。小さな檻を、自分も気付かないうちに
身体は分かってるんだろうな。自分がイケナイ事をしていると」
「ゆ...夢だ!これは夢だ!」
「そう、夢さ。しかし真実だ」
俺は夢から醒めようと思い必死で顔を殴った
「お~激しいねぇ。しかし皮肉だ。アンタは中、俺は外....ハハハ」
そ...そんなハズがない!
俺は心の中で、そぉ思い続いた
「一つだけ助かる方法がある。それは心の中にある檻を開ける鍵だ」
「カ....ギ!?」
「よ~く目を凝らしてみな」
俺は男の言う通りにした
すると、さっきまで無かった小さな光が見えた
....鍵だ!
「そいつを鍵穴...ココに刺すんだよ」
男は自分の胸を指差した
俺はすぐさま、その鍵を手に取り自分の胸の中心に勢いよく刺した
すると、自分を囲んでいた檻が消え光が差した
「ハハハ...馬鹿め。俺は自分の檻からも抜け出せた!これでもう怖いものなどない!ハハハ!ハハハ!」
数時間後
立山は遺体で発見された
目撃者によると
立山は突然机の上にあったカッターを自分の胸に突き刺したとの事だ
立山は自殺として片付けられた
そう。自分で作っちまった檻からは抜け出せない
もし、そこから抜け出せる時....
それは死ぬ時だ
この世に正義など存在しない
人間は偽りと嘘で構成されている
ただ一つだけ理解できるのは
かりそめの自分と、その真実のみ.....
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