奢り

1/4
前へ
/30ページ
次へ

奢り

「まあ、来づれえよな…」 にしても、1週間も拗ねてるとは… はぁ、川茂がチクったら俺の首なんて一瞬で飛ぶから、こっちは安心して寝てらんねえのに。 まあ、逃げるのもガキの常套手段と言えばそうなんだが。俺のせいで留年されても困るしな… 「とりあえず授業行くか…」 っとやっべ、フラッフラする… 朝抜いたのがまずかったか、食欲湧かねえんだよな。 廊下を歩けば、そこここで悪口とも呼べないような、低俗な陰口が叩かれる。 俺に近づく物好きなんてあいつくらいのものだったのに、「カッコわる」って言われたもんなぁ。 つか、あいつには俺がカッコよく見えてたのか?そんなの勝手すぎんだろ、ってまあそれもガキの特権か… 勝手に期待して、勝手に裏切られたような気持ちになって、受け入れられないことからは逃げてって、俺も昔はそうだった。 「ハァ…おはようございます…っと、」 お、川茂だ。 完全に寝てるけど、学校来たんなら善しか。 あいつがチクらない限りもう関わることもないだろうし、無視無視。 「じゃ、この前の続きからね。テキスト57ページ…」 誰も聞いてない授業を真面目にやる意味、サボりてえ…
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加