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⑧比べた?
「ずっとあそこにいたんですか?」
「まさか。もしかしてと思って、前回と同じ時間に行ってみたら、本当に二人がいたから笑ったよ」
あまりにタイミングよく現れた木佐さんに尋ねてみると、あっさり返されて、恥ずかしさに顔が熱くなった。
私たちが計ったように同じ時間に同じ行動をしているだけだった。
(私はなにを言ってるのかしら。この人が私にそんなに執着してるわけないのに……)
「でも、ちょうどよかったよ。どっちにしても宇沙ちゃんに連絡しようと思ってたから」
にやりと笑った木佐さんは耳もとに口を寄せてささやいた。
「他の男に抱かれたばっかりの宇沙ちゃんを逃す手はないからね」
「もう、変態!」
「はははっ。恥ずかしがってる宇沙ちゃん、か〜わいい」
(これは恥ずかしいとかそういうんじゃないわ!)
木佐さんをにらんでも楽しそうにするだけで、それどころか、頭にキスを落とされて、なにも言えなくなる。
部屋に着くと、ベッドに私を座らせて、木佐さんはシャワーを浴びに行った。
そして、ボクサーパンツだけの姿で戻ってくる。
ほどよく筋肉がついて均整の取れた身体に目が惹きつけられる。
「宇沙ちゃんのエッチ。そんなに熱いまなざしで見つめられると勃っちゃうよ」
「なっ、見つめてなんか……!」
「もう勃ってるけどね」
ハハッと笑った木佐さんは私をベッドに押し倒した。
顔や耳もとにキスを降らせながらささやく。
「今日は脱がせてほしい気分なんだ?」
「違います!」
服を着たままの私をからかって、木佐さんはスカートのファスナーを下ろした。
「シワになるといけないから脱ごうか」
お気に入りのラベンダー色のスカートがシワになるのは嫌だ。大人しく腰をあげて、脱がされる。
残ったのはタイツとモコモコのセーター。
「毛並みのいいウサギちゃんって感じで、かわいいね」
にんまりと目を細める木佐さんを不満げに見た。
(かわいい格好をしてるのはあなたのためじゃないから!)
私の心を読んだのか、木佐さんはますます楽しげな顔をする。
「いいね〜。俺のことなんか眼中にない感じ。興奮するね」
そんなことを言いながら、木佐さんはタイツごしに私の股部分を人差し指でなでた。
敏感なところが擦れて、しっとり濡れてくるのを感じる。
指を上下に動かしながら、首すじをねっとり舐められる。
「石原係長もここを舐めた?」
「将司さんはそんなことしません!」
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