⑮そんな変態じゃない?

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⑮そんな変態じゃない?

 ──この関係を終わりにさせてください。  言うだけ言うと、悲しくなって目を閉じた。  他人のものじゃなくなった私を木佐さんはどう思うだろう?  つまんないな、なんて顔をされたら、心が壊れそう。  だから、見たくないと思った。 「やだよ」 「えっ?」  予想に反して拗ねた声がして、思わず、目を開けてしまった。  声と同じく、木佐さんの拗ねた顔が目の前にあった。 (この都合のいい関係を続けたいってことかしら?)  そう思ったら、私を囲うように木佐さんの腕が身体に回された。逃さないとでもいうように。 「なんでやっと宇沙ちゃんが俺だけのものになるというのに、手放さないといけないの?」  コツンと額に額を当てて、木佐さんがつぶやく。  その声は想像していたものと違って、切なげだった。 (俺だけのもの?) 「え、だって、木佐さんは他の男の人の匂いがするのがいいんでしょ? 木佐さんを見向きもしない人が」  びっくりして問いかけると、彼は苦笑いした。   「いいや? 普通に嫉妬メラメラだったけど?」 「嫉妬?」 (え、待って! なに言ってるの?)  驚愕した私は木佐さんを凝視した。  そんなこと言われたら、勘違いしちゃう。都合よく解釈しちゃう。  なのに、木佐さんはにんまりと細い目で笑った。
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