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その時「ちょっと待って!」と叫びながら視聴者席から舞台に駆け上がってくる女性がいました。
「ツヨシ!ツヨシ!あんたは私の子やで! あんたは私の子やで!」
その女性と舞台のツヨシさん、顔がそっくり! 見るからに 親子!
あわてふためくアップダウン。
「ちょっとぉ!あんた だれ?」
「私この子の親 お母ちゃんです!」
「な、 何を証拠にそんなこと!」
「乳児院に置いてきたけど、それ以来私この子のことずっと見てたんです!しょっちゅう見てたんです!乳児院にも覗きに行ったし、小学校に入学したときは、あっちこっちの小学校に行って、この子のこと見つけるまで探し回ったんです!
中学校行ってる時も・・・でも中学卒業してから行き先がわからんままになってて・・・・・・ううう・・・」
「そんな大事な子どもやったら、なんで手元で育ててやらんかったんよぉ?」
「お父ちゃんが酒飲んでは暴れて・・・危険やったんです。この子、私の連れ子やったから・・・。この子にも怪我させたらいかんから 危なくて しょうがなくて乳児院に置いてきたんです。それでも いつか引き取るんやと思って、行き先がわからんようになったらいかんから・・・たびたび 顔見に行ってたんや!」
「お父さん、アル中やったんですか?」
「そやねん。ほんで、酒買うてこい言うて、言うこと聞かんかったら、この子をつねったり腕ねじったりして・・・・・・ホンマ、酷かったんですぅ・・・酒を飲んでない時は普通のええ人やってんけど・・・うぅぅ・・・そやから・・・そやから・・・ぅぅぅ」
「そら・・・ひどい」
「ツヨシ、アンタ おへその脇にハート型のほくろがあるやろ!こんなこと知ってんの 母親の私だけやで!それで信用できへんのやったら DNA 鑑定でも何でもやってちょうだい!間違いないから!」
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