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アップダウンが叫んだ。
「あらー!こっちがホンマの親子やったんですか!
あの・・・えっと・・・まちがいおまへんか!?」
「間違いないです!顔も、似てるなあって思ってたんです!頭も似てるけど」
「いや~!ホンマ、似てますわ!あらまー!親子って不思議なもんやね!」
敏江はスマートフォンの画面に一枚の写真を写しだして見せた。
「あの・・・ほら、これが夫の写真ですねん!」
「どれどれ・・・あ、ホンマに似てる!似てるわ!わあ・・・お父さん、ハンサムですねー!
「あの・・・ボク・・・お父さんみたいにハンサムやなくて・・・なんやすんませんなぁ・・・」
「なに言うてるの!お父さんもハンサムやけど、アンタもハンサムや。しかも、アンタの方がずっと可愛いで!ホンマに・・・ホンマに可愛い・・・」
「お母さん、ありがとう・・・ありがとうございます!よう探しに来てくれはったね。会えて・・・嬉しい・・・」
「ツヨシ、ごめんな。ホンマにごめんな。こんな悪いお母ちゃんで・・・かんにんしてな。アンタ・・・ようがんばってくれて・・・・・・立派になって・・・ホンマに立派になって・・・」
二人は手を取り合って静かに涙を流し続けた。
副調整室ではスタッフ一同も興奮気味。
「ハハハッ!身体的特徴はバッチリやな」
「どないなることかと・・・はぁ・・・疲れたなあ」
「てんやわんややなあ・・・これ、どう編集するんやろ」
「ハハハ・・・これ案外ウケルで!」
「すごい展開でしたね!こんなサプライズが起こるなんて、私たちも予想していませんでした。まさに奇跡!2組の親子が運命に導かれて、再会することができたのです。感動の涙が止まりません!
2組の親子さん、本当におめでとうございます!
『逢いたいなぁ あの人に!新春スペシャル』これにてお開きとさせていただきます!皆さん、ありがとうございました~!」
【完】
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