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「ったくもう…なんでこんな事になんのよ」
「ま、良いじゃん」
「あんたはね」
ニカッと笑う凛矢の顔面をハンマーで殴ってやりたい。さっきからそればっかだな私。
「凛矢、コーヒー飲みたい」
「淹れて来て良いよ?」
「あ?」
「はい、ただ今淹れてまいります。少々お待ち下さいお嬢様」
ギッと睨みつけたとたん、ささーっと台所に行ってしまった凛矢。
「……あ、」頼んだは良いけど、あいつコーヒーの淹れ方知ってるわよね?
行かせるだけ行かせてから不安になってるとしばらくして良い香りのするコーヒーの入ったマグを2つ持って凛矢が帰って来た。
「へいお待ち」
「ラーメンか。へぇ、凛矢コーヒーとか淹れられたんだ」
「……ちょっと、バカにし過ぎでしょ。インスタントのコーヒーも淹れられないで27年間も生きてられるかいっ」
ぷんぷんと怒りながら凛矢が私の隣に座る。
「凛矢、コーヒーありがとう」
「どいたま埼玉」
「埼玉は要らない。…うん、美味しい」
そういえば凛矢が作ったもの口にするの初めてかも。…まぁこれはコーヒーだけど。
濃過ぎず薄過ぎず、意外にも私好みのベストな濃さ。うむ、これから家でコーヒー飲む時は凛矢に頼もう。
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