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「……うわ、本当に同居の事許可してるしお母さん…お父さんまで…」
寝室に入って電気をつけて携帯を開くと『凛ちゃんと仲良くね』ってメールが入ってたのを知って今日何度目になるか分からないため息が溢れた。
「この人たち私のこと大切だと思ってんのかな?いくら幼なじみだって言っても凛矢は男だよ?信用し過ぎでしょーがっ」
イラッとしてベッドの上に携帯を投げ捨てる。
まぁ凛矢に限って私にそんなことしてきたりはしないだろうけどさ…。……いきなり襲ってきたりとか…………
……
『薬袋君っ!今日デートしようっ?♡』
『おっけー♪』
『薬袋君、一緒にお昼食べよう?♡』
『おっけー♪』
『『『薬袋君、私たちと付き合って〜!♡』』』
『おんっ!皆まとめておっけーいっ!!』
考えれば考えるほど巡り巡って思い出される学生時代の凛矢のチャラついた姿を思い出して冷や汗が流れ出す。
「…………まさかね、ないない。だいたいあいつ私のこと女として見てないっぽいし」
部屋着に着替えながら苦笑いしてるとリビングの方から私を呼ぶ凛矢の声がまた聞こえてきた。
「何回呼ぶのよ、つうか聞こえてるし、私着替え中だって言ってんのにあのバカは本当ムカつく〜…」
「なんの用ですかねっ!?」バンっとドアを思い切り開けてドカドカとリビングに戻って行くと
「ほら、葉子の好きな歌手出てきたぞ!」
「えっ、本当!?…ってそうじゃなくて、何回も名前呼ばなくても聞こえてるからいちいち馬鹿でかい声で叫ばないでよ、近所迷惑になるじゃん」
「あら、防音じゃなかったの?」
「あいにくそうでございます。…ちょっと足邪魔っ!座るから避けて」
ぐいぐいと無理矢理凛矢の足を折り曲げてソファーに座ると、なんでか折り曲げてやったはずの凛矢の足が私の膝上に乗っかってきた。
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