戦時の作家

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黄色く薄暗い電球の下、駅の便所で用を足していたら、血尿が出ました。 ――ああ、もうぼくは死ぬんだな。 ぼくは結核を患っています。 病気が進行して近い将来に死ぬことは覚悟していましたが、いざ真っ赤な血尿が便器を染めたのを見ると、全身の力が抜け、へたり込んでしまいました。 でもその時、ダンダダン、ダンダダンと電車が走る音が遠くから聞こえてきました。 ――電車に乗り遅れては面倒だ。 という目先のことが死の予感に勝り、ぼくは便所から出て、無人のホームに立ちました。 酒を飲まないほうが病気には良いのですが、今夜のぼくは、たくさん飲んでいました。 今日の午後から夜半にかけて、以前に勤務していた小学校の教え子たちの、出征祝賀会に出席していたのです。
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