第三話 驚きの涙

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「望月?」  昇降口に着くと、聞き覚えのある声が後ろでした。振り返ると、練習着姿の琥珀君が立っていた。 「あ、おはよう」  私が言うと、琥珀君も笑って返してくれる。 「もしかして補習?」  琥珀君から聞かれ、私は頷く。 「へぇ~」  琥珀君は意外そうな顔をしていた。 「琥珀君は部活?」 「そう。俺、補習は引っかからなかったから」 「ふ~ん」  私の顔を見て、琥珀君は慌てて首を振る。 「今のは嫌味じゃないからな」 「大丈夫だよ」  私は笑った。 「じゃ、勉強がんば!」 「そっちも、部活がんば!」  琥珀君は、グラウンドの方へ走って行った。
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