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颯太さんがシャワーを浴びて浴室から出てくる。すれ違いざま「寝室で待ってる」と言われた。
逸る気持ちを抑えつつ、シャワーを浴びて身を清める。前回はいつしたっけ。と思い返すと一か月くらい前。意外とそんなに前でもなかった。なのになぜ、こんなにもドキドキするのだろうか。
下着はどうしようかな。颯太さんは衣服を脱がせるのがやけにうまい。気が付くとすべてさらけ出されている。なので、あまり支度を整えていっても時間の無駄のような気がした。
少し悩んで、バスタオルを巻いた状態で寝室に向かうことにした。かなり恥ずかしいけど、それよりも早く颯太さんに抱いてほしかった。
寝室に姿を見せると、すでに彼はベッドの上にいた。
「……」
予想外だったのだろう。私の姿を見てわかりやすく息を呑んだ。
「あ、あの……」
「早く、こっちおいで」
すごく急かされた。
だけど緊張と恥ずかしさのあまり、なかなか前に進めない。待ちきれないと言った様子で彼はベッドから降り、私の背中と膝下に腕を回すと一気に横抱きに持ち上げた。
「きゃ」
頬にキスされ、ベッドの上に体を置かれる。あっさりとバスタオルをまくられ、全身をジッと見つめられた。きっともう何度も見られているはずなのに、今更とも思うがそれでも恥ずかしい。
「あ……」
やがて颯太さんはゆっくりと優しく、手と唇で体中を愛撫してくれた。すぐに私は、彼に与えられる快感しか考えられなくなってしまっていた。
「愛奈……」
彼の舌先が、胸の間にある傷跡をなぞっていく。なんだかどこよりもくすぐったく感じて「んっ」と声を押し殺しながらいやいやと首を小さく振った。すると彼は顔を耳元までよせて「久しぶりだからかな? いつも以上に感じやすいな」とささやいてきた。うん。きっとその通りなのだろう。なんだか自分の身体が変になっている気がする。
やがて、颯太さんは私の足を開いてその間に身を寄せた。いよいよだと緊張して顔をそむけてしまった。すると颯太さんに顔を正面に向かされ、唇を塞がれた。とろける様なキスをされているのに、入り口付近を前後に揺らすだけで彼はなかなか入ってこようとしなかった。少し、焦らされているのが分かった。
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