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「颯太さん……」
「わかってる。ほしいんだろう?」
これ以上は耐えられなかった。思わず頷いて切実に望んでしまうと、彼は口元に笑みを浮かべてまたキスをしてきた。
「お願い颯太さん。早くいれて」
「愛奈からそんな言葉が聞けるなんて、なんだかすごく高揚するな。まあ、さすがにお互い限界か」
ようやく、彼が腰を進めてくれた。それだけですごく気持ちよくて声が漏れてしまう。
「愛奈、感じる?」
「うん。気持ち……いい」
今までとは違って、すごくゆっくりと彼が入ってくる。奥まで到達したとわかった時、嬉しくて彼の首を抱きしめてしまった。
「動くよ」
そう言って腰を動かしてくれたけれど、今までの激しい動きと違って緩慢で、もどかしいほどだった。
「颯太さん……もっと激しく動かしていいよ?」
物足りない訳ではなく、とても感じている。けれど颯太さんははたして満足しているのだろうかと不安になったのだ。
「今夜はゆっくり愛し合おう。愛奈も俺のこと欲しがってくれてたみたいだけど、俺だってきみがずっと欲しくてたまらなかったんだ。だからすぐに終わらせたくない」
耳元でそう言われ、悔しいけれどその言葉でも感じてしまった。
ゆっくりと彼が中で動くたび、今まで気づかなかった質感や重さがまざまざと体に浸透してくる。はしたないけれどすごく、よかった。
永遠に続くようなゆっくりとした時間だったけど、いよいよ抗えない波が襲ってくるのが分かった。ギュッと唇を噛んで彼を見つめる。私が限界なのに気づいて、ようやく動きを速めてくれた。
達する寸前、彼は私の腰を掴んで持ち上げた。上から打ち付けるように激しく突かれ、気が変になりそうなくらいの快楽の波に、素直に溺れた。
私が呼吸を整えている様子を眺めながら颯太さんも苦しそうに呻いた後、私の中に熱を吐きだしてくれた。
終わったのだと体が弛緩したのに、彼は繋がった状態のまま、繋がりの少し先にある私の赤い突起を指で優しく圧し潰し前後に動かしはじめてしまう。
「あ……ん……!だ、めぇ……!」
その刺激で私は半ば強引に続けて達してしまった。
思い返すと顔から火が出そうなほど恥ずかしくて濃厚な夜だった。
終わった後、颯太さんはケロッとした様子で私を抱きしめ、「俺の愛奈は世界一かわいいな」と何度も囁いてきた。「しつこい」と私は耳を塞いだ。
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