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序章
私たちはいわゆる一卵性双生児としてこの世に生を受けた。
母性看護学の授業で、双子が生まれる確率は100組の出産に対して1組。そのうち一卵性は1000組のうちの4組ほどだと知った。
さらに、私たちは双子の中でも1%未満とされる、MM双胎と呼ばれる2人で1つの胎盤を共有していたそうだ。
胎盤を通じて私たちの間を血液が行き来し、羊膜と呼ばれる布団に共に包まれ、安らかな母体で共に過ごした。
私たちは二人で一人、同じ個体だと信じて疑わなかった。
かつての私たちは、同じ服を着て同じ絵本を読み、同じ童謡を聴き、歌い、同じ映画を見て、同じ場面で笑い、泣いた。
おもちゃも一つのものを二人で共有した。相手のものを欲しがったりせず、一方的に独占したりすることなく一緒に遊んだ。
でも、いつからだろう。
私たちの想いはどこで掛け違ってしまったのか……
もう一人の「私」が消えてしまってから、一年が過ぎようとしている。
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