1人が本棚に入れています
本棚に追加
「いい考えね。あたし、そのまま帰らずにずっと家に居ていい?」
「えっ、ずっとって…」
「そのまま、家に住んでいいかって聞いているの!」
「千晶、ママと一緒に暮らしたいの?」
「ちがう! なに思い違いしているの。
あたしは元の学校に通いたい。
元の友達や仲間と一緒にいたいの!」
「ごめんなさい。
わたし、ほとんど日本にいないから、家に千晶だけを残して置けないよ」
「だったら家に行くなんて言わないでよ。
あの頃の暮らしを忘れようとしているあたしにとって残酷だよ!」
「ごめん」
震える声でママがそう答えた時、バシッバシッバシッ!
と白い塊が、フロントグラスにぶつかった。
「なに、雹?」
ビー玉のような氷の塊が、とめどなく車のフロントグラスにぶつかって砕けた。
最初のコメントを投稿しよう!