第2話 あたし(千晶)

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「いい考えね。あたし、そのまま帰らずにずっと家に居ていい?」 「えっ、ずっとって…」 「そのまま、家に住んでいいかって聞いているの!」 「千晶、ママと一緒に暮らしたいの?」 「ちがう! なに思い違いしているの。 あたしは元の学校に通いたい。 元の友達や仲間と一緒にいたいの!」 「ごめんなさい。 わたし、ほとんど日本にいないから、家に千晶だけを残して置けないよ」 「だったら家に行くなんて言わないでよ。 あの頃の暮らしを忘れようとしているあたしにとって残酷だよ!」 「ごめん」 震える声でママがそう答えた時、バシッバシッバシッ!  と白い塊が、フロントグラスにぶつかった。 「なに、(ひょう)?」 ビー玉のような氷の塊が、とめどなく車のフロントグラスにぶつかって砕けた。
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