第4話 死神の吐息

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叩きつけられた三点から、ものすごい勢いで河の水が噴入してきたが、あっという間にフロントグラスが砕け散り、ドッと河の水が車内にあふれた。 危うく息を止めた。 もう、あたしの全身は完全に水没していた。 濁った水の中、右ひじをつかむ手を感じた。 ハッと右を見ると、ママがフロントグラスに開いた大きな穴から、外に出るようにジェスチャーをしていた。 ママは、あたしの上半身をフロントグラスの穴に導き、押し出した。 車から水中に出ると、水中の速い流れを感じながら、ドンドン体が上昇していくのが分かった。 ――ペットボトルの浮力のおかげ。 あっ、あたし、ペットボトルを二本持っている。ママ! 焦って下に視線を移すと、ぼんやりと車の輪郭を見つけた。 一つの影が、あたしの方に昇ってきた。 ――ママだ! そう思った瞬間、あたしの頭は水面から飛び出し、河と風の音が耳に轟いた。
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